アンナプルナベースキャンプへ向けて、山間部へ入ると、例年より早い雪の情報が聞こえてきました。
2日後に通る予定の道で雪崩(Avalanche アバランチ)が起こったそう。
その話を聞いた時私はチュイレという村のロッジにいました。居合わせたガイドさんがその情報を教えてくれましたが、彼らも詳しいことはわからないよう。どのくらいの規模の雪崩なのか。ケガ人はいなかったのか。道は通れるのか。
ガイドさんは
「とりあえず行ってみて、その時の状況で判断する」
と言っている。
うーむ、そういうものなのか。
この時私は、もしかしたらベースキャンプへは行けずに途中で引き返すことになるのかもしれない思い、もしそうなったらとても残念だと思いました。
翌日チョムロンという村を通った時に、チェックポイントがあり
係のおじさんは雪崩の話をして、私にこう言いました。
「通れることは通れるが、十分注意して通りなさい。行ってみてから状況を見て判断しなさい。無理だと思ったら決して無理はせず、引き返してきなさい。Safe Trek!!(安全な旅を!!)」と言ってハグしてくれました。
個人で歩いている私は、自分で判断しないといけない。
どんな状況なのか、様子が想像できないので、行ってみるしかない。
ベースキャンプ方面から来る人に「雪崩の箇所は通れた?危ない?」と質問しながら歩く。
みな、「気をつければ大丈夫だよ」という答え。
それほど心配しなくても大丈夫なのかもしれない。
翌日、デウラリという場所を過ぎると、雪が積もっていました。雪がなかった前年と比べると全く違う場所のように感じます。
やがて雪崩の場所が現れました。
雪が踏み固められ、1人通れるくらいの道ができていたので歩くのにそれほど危ない感じはしませんでした。ただ踏み外すと下に落ちるので注意は必要でした。無事に通過できてほっとしたものの、天気が悪く、ガスって真っ白でした。
一体自分がどのあたりを歩いているのか。
去年とは全く様子が違って雪景色なので、この道を歩いたことがあるはずなのに、どこだか全くわかりませんでした。
太陽も隠れてしまっているし、なんだか寂しい感じもあって、しんどさが増します。それにしても、こんなに雪があるとは予想外でした。
翌朝、雪は降っていないもののスッキリしない天気でした。
それでも少しの時間だけ、空がピンク色に染まり、それはそれは美しい朝焼けを見ることができました。そういうこともあるんだなぁ。
アンナプルナサーキットのトロンパス超えの下りが凍っていると滑って危ないということだったので、念のためアイゼンを持ってきていました。
ベースキャンプまでは緩やかな登りなので、アイゼンを付けて歩くことにしました。
持ってきたアイゼンはトロンパスでは使用しなかったものの、思いがけずベースキャンプで使用することになりました。
アイゼンを持っている人はまずいなかったので、たくさんの人に
「Nice Shoes」
とか
「Good Idea!」
と言われました。
ストックがあればアイゼンなしでもなんとかなったと思いますが、特に下りでは皆すべって歩きにくそうでした。
雪があるとないとでは、全然景色が違うのが驚きであり、また違った姿を見れたのはよかった。
何より、真っ白な中、黄金色に照らされるアンナプルナサウスは、美しさが際立っていました。
何がわからないからおもしろい!
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