DAY2 フォレストキャンプ(2550m)→ローキャンプ(2995m)→ハイキャンプ(3550m)
Sunrise Lodgeというくらいなので、日の出を見るのを楽しみにしていた。6時に起きて窓から外を見ると空が焼けて赤くなっていたので、慌てて外へ出て三脚をセット。こういう時はテキパキ行動できてしまうのだから、美しいものを見たいという欲求はすごいものがある。
朝焼けって日の出が近づくと色が薄くなるな、なんて改めてしみじみ思いながら見ていたが、なかなか太陽が出てこず寒さを感じてきた。さすがに1時間近く外にいると冷えてくる。
6:50頃ようやく太陽が顔を出した。下のロッジに泊まっている人もここまで見に来ていたので、やっぱり日の出が見えるのはここだけなのかもしれない。
眩しくて強い強い光。それは何か絶対的なものだった。
こうやって日の出を見ると、1日が始まったことが自分の中に落とし込めて気分が違う。「今日もまた1日が始まるぞ!」という風に思うことは、当たり前のようだがとても大事なのではないかと感じた。
そして、「夜が明ける」ということは「生まれ変わっている」のだという風にふと思った。毎日毎日夜が明けるたびに私たちは、すべての生き物は、細胞は、生まれ変わっている!!新しい1日の始まりと共に私たちはまた新しい自分になっているのだ。
そういうことを思い出させてくれる朝だった。
チベタンブレッドを食べて出発。
今日も前半はずっと森の中で、たまに視界が開けた場所にロッジがあり、そこからはマチャプチャレが良く見えた。
Forest Campから1時間くらいのところにRestCampなる場所があり、新しいロッジが建っていた。目の前にはマチャプチャレ、日当たりも良く日の出も見えそうだったので、ここに泊まるのも良さそう。
またすぐ森に突入。朝日が当たって森の中はますます美しい。陰影が賑やかで、音楽が聞こえてきそうだ。木々のオーケストラ。
昨日も見かけたネパリ大学生3人組に追いついたり抜かされたりして、時々人の気配を感じながら歩いた。
そしてタルチョが見えてようやくLow Camp。前にいたネパリの女の子と着いたね!と喜び合った。ここもロッジがたくさん。日当たりの良さそうな外にベンチがあるロッジで休憩。紅茶(Black Tea)を注文して、ポカラから持ってきたレモンケーキを食べ、ひよこ豆を食べ、ドライフルーツを食べた。まだ10時過ぎなのに今日も食欲が旺盛だ。ここは目の前にマチャプチャレが見える絶景ポイントで、みんなここで休憩しながら写真撮影をしていた。珍しく子供連れのネパリの姿もあり、マルディヒマールの人気がうかがえる。このルートは景色が良いところが多くてすごいな。
Low Campを出ると再び森の中へ。森の中からロッジがチラチラ見えてきた!あそこがBadal Dandaかな。そこでランチを食べよう!Badal Dandaの手前にTwin Peak Guest Houseという名前のロッジがあり、ここは一気に視界が開け、アンナプルナサウス、ヒウンチュリ、マチャプチャレがババーンと見えていた。
このロッジで昼食にしてもいいかと思ったがBadal Dandaまで少し登るようだったので、お昼前に登ってしまおうと思って先に進むことにした。ロッジは階段状に何軒か建っていたが、どうせなので一番上まで行くことにした。登っている途中でHigh Campまでロッジの建材を運んでいるおじちゃんに会う。5-6mの柱を運んでいる。かなり重いみたいで、頻繁に休憩していた。
1番上のロッジは「View 360」というその名の通り360度全方向が見渡せて気持ちが良い。外テーブルにたくさんのネパリが集まって日向ぼっこをしていたが、彼らは全員家族でこのロッジの人とのこと。お客さんより多いよ!!
ここからの絶景をどうぞ!!
今日ももちろんダルバート。厚めのにんじんスライスが3枚も付いてきて、やっぱりネパールのにんじんはおいしいと思う。タルカリはジャガイモとキャベツでやはり少し辛い。アチャール(ソース)はクリーミーなオレンジ色で山椒が入っていた!フルーティーな風味がとても良かった。水筒に水も入れてもらい出発。
Badal Dandaからハイキャンプまでは尾根歩きで終始気持ちの良い道。マルディヒマールと並行して伸びているアンナプルナベースキャンプのトレイルも眼下に見え、去年のことを思い出して感慨深い。天気が良くて最高だ。
昨日から度々顔を合わせるネパリの青年から写真を撮ってと頼まれる。彼は1人で歩いていたが、ネパリでソロというのはかなり珍しい。一昨日はForest Campの手前で薄暗くなってきてしまったから怖かったそう。それでネパリの大学生グループと一緒に歩いていたそうだ。私もこの絶景と一緒に1枚撮ってもらった。
2時間ほどでハイキャンプに到着。ハイキャンプにもロッジがたくさんありまだまだ建設中のロッジもあって増え続けているようだ。これだけたくさんあるとどこにしようか迷ってしまう。選択肢が多いというのも逆に困るものだ。
景色的には1番奥にあるロッジが良いかと思い行ってみたものの、すぐ隣でロッジを建設中だったため、景色や部屋は良かったけれど音がうるさく引き返すことにした。行ったり来たりして何軒か見せてもらい、最終的には部屋も景色も良いフィッシュテイルロッジにした。部屋は500rpということだったが、2泊すると言うと350rpにしてくれた。シングルベッド2台とダブルベッド1台がある部屋だ。
窓際のベッドは日が射して気持ちよく、また景色も良くてお気に入りの場所となった。ここで日記を書いたり本を読んだりして過ごした。
17時になると空が淡いグラデーションに染まってきたので、また興奮して空を眺めた。写真を撮っていると、ネパリ男性に「Where are you from(どこから来たの)?」と聞かれ、「ジャパン」というと、「エーニホンジンデスカ!」と日本語になった。彼はラビンドラという名前で横浜に住んでいたことがあり、日本語がとても上手でハイキャンプでSnow Landというロッジを経営している。まだ日本から帰ってきて1年半くらいで、日本が恋しいよう。日本人を見るとても嬉しいと喜んでくれた。夕食までの間に彼のロッジに遊びに行きお茶をご馳走になった。暖炉をつけてくれたのでとても暖かい。このロッジもとても景色がよく泊まるのに良さそうだったが、少し分かりづらい(見えにくい)場所にあるので先ほどロッジを探している時には気がつかなかった。
夕食を食べにロッジに戻ろうとすると、彼も私が泊まっているロッジへ遊びに行くとのことで一緒に戻る。3分くらいの距離なのに、少し登りになるので息が上がる。夕食はVeg.フライドポテト。茹ですぎなのか油が少ないのか、今までのフライドポテトとは違って柔らかかった。でも味付けはおいしくてほっとする味だった。
こちらも暖炉が付いていて暖かい。今日はイギリス人夫婦、チャイニーズアメリカンの女の子、その子と一緒のシェルパ夫婦、ネパリの男の子と私だけ。シェルパのガイドさんは仕事ではなく遊びで来た(まだ来たことがなかったから来てみたかったそう)言っていたが、見た目ですぐにシェルパとわかる佇まい。とても存在感のある人だった。目が吸い込まれそうにきれいで、そしてとても誠実そう。年齢は40代前半のように見えたが、体系もシュっとしており、お腹も出ていなくてなんだか今まで会ったガイド達、いやネパリ達と何もかもが違う。ナムチェの博物館に写真が飾ってあるくらい有名な人みたいだ。名前は聞いたのに忘れてしまった。私にとってこの人との出会いはちょっとした衝撃だった。これまでも、「この人と山を歩いてみたい」と感じるガイドさんが何人もいたけれど、このシェルパは別格のように感じた。
私以外はみんなダルバートだった。ここのダルバート、とてもおいしいらしい!明日はダルバートにしよう!!
今晩は、隣のロッジの夫婦やロッジを建設中のオーナーもやってきて賑やか。今日はどこのロッジもお客さんが少ないので、周りのロッジの人が集まってきて宴会みたいだ。ヤギ肉を食べて、ラムを飲んで、この後ディロを食べるそう。ディロいいなというと少し味見をさせてくれた。ここのディロはヒエかアワで茶色く、以前マナスルで食べたものとはまた一味違った。やがて、歌が始まりみんなで楽しそうに歌っている。オーナーも「ビール飲む?」とか「ラム飲む?」と聞いてくれる。お酒を断るとラビンドラが「ジュースは?日本人に会えるのが本当に嬉しいから、何かごちそうしたい」と言う。その気持ちが嬉しく缶のココナツジュースをいただいた。これは初めて飲んだがなかなかおいしかった。
みんなで暖炉を囲んで輪になって過ごした温かな夜だった。
DAY3へ続く
山好きの人にも、ネパールが好きな人にも、ネパールでトレッキングをしたい人にも、美しい世界を感じたい人にも、何かに挑戦したい人にもオススメです。
”こんなにも美しい大自然の中で、目一杯体を使い、五感をフル稼働させて体感した先にあったのは、自分への信頼と美しい地球に生きていることへの喜びだった”
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