DAY3 ハイキャンプ(3550m)→ローワービューポイント→アッパービューポイント→マルディヒマールベースキャンプ(4500m)→ハイキャンプ(3550m)
6:00に起きて外を見るとすごい朝焼けだ。真っ赤に染まっている。毎日朝焼けや夕焼けを見られるのはとてもいい。今の私はそれをとても求めていたように思う。
うろこ雲が東の空一面に広がっている。きれい。それに光が当たって金色に輝いている!日が出そうなのに、雲が出てきてなかなか太陽が見えない。でも太陽がそこにある気配はしている。まだか、まだかと待ち遠しい。
7時ぴったりにちょうど目の前の山のてっぺんから太陽の光が溢れて放射状に広がった。
今日も1日が始まる。
おはよう!
トイレの水が凍っていて、トイレのバケツも小さかったので水は空になっており、流れなかったものが溜まっていた。あーあ、と思ったが、朝食後にはスタッフがきれいにしておいてくれた。もっと大きなバケツに水を溜めておいてくれたいいのになぁ。
7時に朝食を頼んでいたけれど、まだ全然できていなくて結局運ばれてきたのは7:30。Millet Breadなるものがあったので試してみた。初めて出会ったMillet Bread!見た目は茶色いパンケーキ。味は癖はなく、小麦のパンケーキより食べ応えがある&栄養があるように感じる。こういうシンプルな素材の味がするのはとても好き。同時に頼んでおいたランチ用のチベタンブレッドも到着。アルミホイルに包んで渡してくれた。ネパールではラップを見かけることはないけれど、アルミホイルはよく見かける。
8時にロッジを出発。奥のロッジの横を通っていく。建設中のロッジのオーナーがいてGood Morning!!と挨拶した。意外にも前後に歩いている人はおらず1人で歩く。日の出をViewPointから見るために早朝に出かける人もいると聞いた。今日も稜線歩きなので気持ちがいい。右手の山々に光が差してカーテンのようになっていた。自分がこの光の下にいるときはわからないけれど、上から見るとこんなに美しい光の中にいるんですよ!!って下にいる人に知らせてあげたい。
チャイニーズアメリカンの女の子にもラビンドラにも、右をぐるっと回る道を行くのがいいよと言われていた。まっすぐに登るルートもあるけれど、こちらはかなり急登で大変とのこと。言われた通り、右側を巻いていく。確かにぐるっと回って方向的にはまた戻ることになるが傾斜はゆるく、歩きやすい道だ。ずっとマチャプチャレが見えている。
9:50にLow View Pointに到着。出発して1時間50分。これまでもたくさんView Pointと感じる場所があったが、ここまで来るとアンナプルナⅠもよく見えてきて、また1つ見える世界が広がった。温かいお茶も持ってきたので、休業中のティーハウスのベンチで休憩。ひよこ豆も食べた。Low View Pointには思ったよりもたくさん茶屋があり、開いている店は1軒だけだったが、シーズン中は混んでいるのだろうな。
ここから道は緩やかになり、タルチョやシャクナゲの木々を横目に歩く。アンナプルナサウスとヒウンチュリが何にも邪魔をされず目の前に見えていた。左下の谷にロッジが見えてどこなんだろうとmaps.meと照らし合わせていたらDeuraliのよう!!わー、こんな近くに別のルート(マルディヒマールのこと)があったとは、去年はわからなかったなぁ。見上げていたら見えていたのだろうか。High View Pointには1時間ほどで到着。ケルンがあっただけで、View Point感は全くなかったが、多分ここなんだと思う。
BaceCampまで近そうだったので、そのまま行ってみることに。「Base Campまで行くのは大変だからView Pointまででいいと思うよ」という人が割と多かったが、実際に歩いてみると、Low View Pointまで来てしまえばその後はそれほど大変ではないという印象であった。Base Camp手前でイギリス人夫婦とすれ違った。Base Campで会えるかと思ったが、彼らが早かった。
さすがに4500mなので息は上がるが、同じ標高のマナスルベースキャンプに比べたら断然楽!高度順応したのかな。あの時は全然辿り着かなくてきつかったなぁ。
High View Pointから40分程でBase Campに到着!
Base Campには茶屋が1軒あり、おじさんが1人で営業していた。1人でタイマーで記念撮影をしていたが、おじさんが「写真を撮ってあげようか?」と言ってくれたので撮ってもらうことにした。何枚も撮ってくれたのでありがとう、という気持ちになったのでお茶を飲むことにした。
「Base Campで寝泊まりしているの?」このおじさんはHigh Campで暮らしていて、毎朝4時に出発して水を担いでここまで上がってくるそうだ。2時間で登れるというのがすごすぎる。しかも重い水を背負って。「ここには水がないから」と。そうだよね。このおじさん、見かけによらず英語が達者だった。昔はガイドをしていたそう。
数日前に、ここ(外)に寝袋だけで泊まった日本人男性がいるそう。すごい人だ。彼はマチャプチャレを目の前に、静かに1人過ごしたかったのだろう。たまにそういう人がいるみたい。ここから見るとマルディヒマールはマチャプチャレにくっついているように見える。よーくみるとマルディヒマールの形がわかって、茶色い岩の塊がマルディーヒマールだ。あと1000mなので登れそうに見えるが、ここからはロッククライミングする必要がある。
「何時頃までいるの?」と聞くと、「もうそろそろ店じまいだよ」と。「多分今日は私が最後だよ。うしろいなかったもの」と一応教えてあげる。「じゃあね〜、またHigh Campで!」と言うと、「High View Pointで追いつくよ~」と。そっか足速いんだもんね。
その後私は順調に下り、おじちゃんと会うことなく、そして最後は近道だけど急な方の道を下ったら、イギリス人夫婦までも追い抜かしてしまった。
ネパールの家は石を積み上げただけのものが多いが、このあたりにはスパンと薄く割れる石があり、ロッジを建てるのに使うためそれを割り出してHigh Campまで運ぶ、という作業が行われていた。若い男の子たちがその仕事をしていて、何人も見かけたが、1回で運べる量が少ないので何往復もしているようだった。割る作業も運ぶ作業もすごい労力だ。
ロッジに到着すると、とにかく疲れたと思い部屋に行かずにそのまま外のテラスで休憩。今日はすでにこの時間でお客さんが大勢いた。少し休んで部屋に戻ってお気に入りの窓際のベッドで本を読んでいたら、ウトウトと寝てしまった。ノックの音で目がさめる。ドアの外にはロッジのスタッフがいる。
「部屋をシェアしてもらえないかな?」
「OKOK、いいよ、ちょっと待ってね、荷物片付けるから」
女性のガイドさんとそのお客さん。1人だったので荷物を広げてしまったので慌てて片付ける。どうやら今日は満室のよう。他のロッジは空いているような気がするが、このロッジに泊まりたかったんだな。私が他のロッジに移ってもいいくらいだけど、まあそれも面倒だ。お客さんは結構年配の女性で今日はLow Campからきたそうだがかなり疲れていた。体調が良くないみたいですぐにベッドで休んでいた。
朝のうろこ雲は無くなっていたけれど、夕方になってまた下から雲が湧いてきていた。これはこれでとても幻想的な景色だ。淡いグラデーションに染まっていく。毎日こういう景色を見ながら暮らせるのが羨ましい。時間的には今日はHigh Campに泊まらずにそのまま下ることもできたが、この夕焼けと日の出を見たくて2泊することにしたのだった。High Campはとてもきれいに見えるから。
夕食の時間にダイニングへ行くと、昨日とは打って変わって混雑していた。とにかくネパリが多い。土曜日だからなのかな。驚いた。所在ない感じでテーブルの一角に座る。
ここのダルバートは、標高が高いところなのに、サラダもついていて丁寧な感じがした。しかし、やはりタルカリが辛くて悲しい。普通の人はこのくらいの辛さがおいしいのだね。
今日もまた別のガイドさん&ポーターが太鼓と笛で演奏を始め、ネパリたちが大合唱するという賑やかな夜だった。
DAY4へ続く
山好きの人にも、ネパールが好きな人にも、ネパールでトレッキングをしたい人にも、美しい世界を感じたい人にも、何かに挑戦したい人にもオススメです。
”こんなにも美しい大自然の中で、目一杯体を使い、五感をフル稼働させて体感した先にあったのは、自分への信頼と美しい地球に生きていることへの喜びだった”
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