DAY4 ハイキャンプ(3550m)→ローキャンプ(2995m)→シディン(1850m)
同室の女性たちは4時頃出て行った。物音で一度起きたもののまたすぐに眠れたが、起きるて見ると彼女たちの荷物は既にきれいにパッキングされており驚いた。まるで忍者のようだ。
今日も空が焼けている。今日もバッチリ日の出を拝むことができた。昨晩はだいぶ冷え込んだようで、あたり一面に霜が降り白くなっている。
今日は下りだけなので、ゆっくり出発することにした。昨日到着した人たちは皆朝早くView Pointに向かったようで、ロッジはとても静かだった。そして、昨晩はベッドが足りなかったようで数人はダイニングで寝たようだ。
8:20に出発。精算時に部屋代を300rpにまけてくれた。2日目は部屋をシェアしたからだろうか。ここのオーナーのRajさんはいつもにこにこしてくれて雰囲気が良かったし、食事をオーダーした時に「Thank you」と言ってくれたのが非常に驚いた。全く意識していなかったけれど、ネパールで食事をオーダーして「Thank you」と言われたことは多分ない。今回「Thank you」と言われて、今まで言われてこなかったことに気づいたのだった。
名残惜しいままSidingに向かうことにした。天気も良く、道も快適なのでなんの問題もなくスタスタと歩いた。
9:30にBadal Danda着。以前ランチを食べたロッジでトイレを借りた。また出発して1時間しか経っていないのにもうトイレに行きたくなるなんて、やはり少しむくんでいたんだなぁ。相変わらず絶景だ。
少し下のロッジの前に、ネパリのお母さんとアジア人の女性が座って話をしていた。私のことを「何人かな?」「Koreanじゃない?」と言っているのが聞こえて、「Japanだよ」というとその女性も日本人だった。初めて会った日本人。彼女はアンナプルナベースキャンプに行ってそのままマルディヒマールも歩きに来て、Badal Dandaが気に入って3泊しているそうだ。ここからも夕日も朝日も見えるそう。ここに3泊するなんて珍しいけれど、そういう時間の使い方もいいなと思った。
「お尻に根が生えそうなので、そろそろ行くね」と言ってまた下り始める。
ネパリギャル5人組に会って少し話をしたら日本語を勉強しているという子が1人いた。彼女達はルンビニの近くに住んでいて、みんなでトレッキングしに来たとのこと。普段着のような格好(下はスボン)で歩いていたが、彼女たちにとっては問題なさそう。荷物もとても少ない。
この辺りから森に突入。
Low Camp近くではマットレスを運んでいるポーター達が次々と上がってきた。ロッジのマットレスはスポンジのところも多いが、彼らが運んでいるのは立派な分厚いマットレスだった。運ぶのは大変だろうが寝心地はとても良さそうだ。
Low Campに到着したのは10:20でまだおなかは空いていなかったのだが、この先Sidingまで3時間は食べるところがないと言われ、チョーメンを食べることにした。チョーメンはごくたまにとてもおいしいのに出会うのだが、ここのはいまいち。今年はおいしいチョーメンに出会えていない。
Low Campから道が分かれていて、Forest Campに行く道とSidingに行く道がある。来るときはForest Campから上がってきたけれど、今日はSidingへ行くのでまた新しい道だ。
森の中というのは変わらないけれど、ここからはぐっと人が減りとても静かな時間だった。ヤクが放牧されていたが、小柄なヤクだ。ヤクは暑さに弱いので夏場はHigh Campの上の方にいるようだが、冬が近づいてきてだいぶ下の方に降りてきたようだ。全然人に会わなく、かつ森の中だが、道は明るいので怖くはない。
黙々と歩いた。
人の声が聞こえたと思ったら、下から上がってくる人がいた。ずーと登りなので、上がってくる人はかなり大変だろうと思う。お互いに久しぶりに人に会ったね、という感じがおかしかった。
ずっと下りっぱなしなので流石に疲れた。だんだん村が見えてきた頃、2軒ほど茶屋が登場した。簡素な作りだったがランチを食べれるようだ。なんだ、ここで食べられるじゃない。時刻は12:15。ここで食べても良かったなぁ。
前方に行くつか村が見えてきた。Sidingはどれだろう?なんて思っているとしばらくするとジープ乗り場に到着。「Pokhara?」と声をかけられる。「Siding!Siding!!」と答えて歩き出すと方向が違ったようで、「あっちあっち」と教えてくれた。この辺りは看板がなくなり方向がわからなかったが、ロッジがあったり民家はあるのでいざとなれば人に聞けば大丈夫。
ここからがまた分かりにくく、言われた方向に来たけれど、トレイルっぽくない道。田畑や民家が広がっており、適当に歩いていたがあっているのか怪しい気がする。農作業中のお母さんに「ナマステ!」と話しかけるが、聞こえていなそう。近くにいた女の子が気づいてくれて道を案内してくれた。そして「Give me Chocolate?」と言われるが、チョコレートは持っていない。食べ物はひよこ豆のスナックか、トレイルミックスしかない。「これならあるけどいる?」と聞くとトレイルミックスをさしたのでそちらをあげた。
この時は忘れていたけれど、ネパリが言う「チョコレート」はチョコに限らず、「甘いお菓子」という意味で使っている気がする。過去にエネジーバーをあげた時も「あのチョコレートおいしかったよ」と言われたし、日本からお土産で持っていった「雷鳥の里」も「あのチョコレートおいしかった」と言われた。多分、ビスケットとキャンディー以外の甘いものは全部チョコレート。
今日はHigh Campのロッジでお兄さんがやっていると聞いた「Luxury Guest House」に泊まる予定でいた。畑のあぜ道からトレイルっぽい道に繋がり、ホッとしてしばらくすると「Luxury Guest House」の看板を見つけた。こっちと矢印が書いてある。よかったこっちでよかったみたい。
そして少し歩くとロッジらしきものが見えてきたが、違う名前なのでもっと先なのかと思い、家がたくさんある谷の方へ下ろうとした。しかし、道がない、畑の中を突っ切るのか?うーん、なんか違う気がする。
そして、また少し戻り道を探すけれど、やっぱりこっちなのかな、とまた谷に向かって下りようとした時に、
「どこ行くの?」と男性が話しかけてくれた。
「Luxury Lodgeを探しているの」
すると、こっちだよ、と男性が斜め向かいの建物に案内してくれた。この人がロッジのオーナーだった。看板が建物の側面についていて目立たなかったから見逃していたのだ。ひたすら下りで足が疲れたよ。ここもマチャプチャレが見える部屋にした。この部屋もベッドが3台!!
「いくら?」を一応値段を確認すると「Don’t Worry about money(お金のことは心配しなくていいよ)」と。High Campでも弟さんに同じセリフ言われたな。ホットシャワーもあるということなので、4日ぶりにシャワー!温かいお湯が出て嬉しい。ついでに洗濯も少し。wifiはないけれどNcellの電波が入った。電源もある!電気があって電波が入るとだいぶ里に下りてきたと実感する。
ひと段落してお茶を飲みに屋上へ。このロッジは屋上にダイニングとキッチンがあるのだ。ここからの眺めはとても良い。あいにく雲が湧いてきて、マチャプチャレは隠れてしまったけれど普通に人が住む村の風景にとても癒される。段々畑の中にポツリポツリと民家があり下の方に人が大勢集まっている家があり、聞くと家族で亡くなった人がいるおうちで、それで人が集まっているそう。雲がなければLow View Pointのティーショップが見えるそう。
お茶を飲みながらオーナーのBhimさんとお話。このロッジは建ててから1年ほどとまだ新しい。ロッジの隣には彼の実家があり、お父さんやお母さんが住んでいる。彼の人生は波乱万丈だ。3人兄弟でみんな男。お兄さんはLow Campでロッジ経営(多分私がチョーメンを食べたところ)、弟はHigh Campでロッジ経営。彼は外国で働きたくて、マレーシアで仕事をしたり、南アフリカで仕事をしたりしていたそう。他にも色々な国へ行っていたようだが忘れてしまった。昔は良かったけれど、最近は外国でもあまり稼げなくなってきて、兄弟に「ネパール国内でビジネスをやった方がいい」と言われてここSidingでロッジをやることにしたそう。
Sidingにはロッジがそれほどないから競争率は低そうだが、その分泊まる人もほとんどいない。Sidingに下りて来てもその日のうちにポカラへ行けてしまうので、あえて泊まる人は多くない。これからマルディヒマールはどんどん人が増えるだろうから、Sidingにも泊まる人が増えるといいね、と思う。そんなわけで、彼はマレーシア語が少し話せるので、以前High Campにマレーシア人のトレッカーが来た時にマレーシア語を話したらとても喜ばれたとのこと!そうだよね、喜ぶよね。そういうのも活かせるといいよね。
このBhimさんは弟のRajさんととても似ていて、特に優しい笑顔は同じでいっぺんで兄弟とわかる。夕方になったらご両親がやってきてお茶を飲んでいた。BhimさんにもRajさんにも共通する感じの良さはご両親の育て方が影響しているんだろうな。
お友達が大量の芋を持ってダイニングにやってきた。このお芋は日本にはない芋で、一番似ているのは里芋だが、もっと長細かった。蒸したものを1つ食べさせてくれた。里芋のようなねっとり感はなく、むしろさっくりしており、繊維質で味も淡白だった。
キッチンから料理している音が聞こえる。歌いながら作っている!!絶対おいしい!私の統計上、ご機嫌に歌いながら作っている人は大抵おいしく作る。ほどなくして運ばれてきたダルバートは見るからにおいしそうだ。きっとこの人はお料理好きなんだろうな。残念ながらまたしてもタルカリは辛かったのだが、とてもエネルギーを感じる料理だった。
お友達たちも今日はここに泊まるようで、彼らもダルバートを食べていた。食事が終わるとタバコを吸い出したので、退散せざるを得なくなり残念。
最近のロッジはシークレットガラス仕様の窓が多く(中から外は見えるけど、外から中は見えない)、このロッジもそうだった。カーテンがないことに慣れない。
DAY5に続く
山好きの人にも、ネパールが好きな人にも、ネパールでトレッキングをしたい人にも、美しい世界を感じたい人にも、何かに挑戦したい人にもオススメです。
”こんなにも美しい大自然の中で、目一杯体を使い、五感をフル稼働させて体感した先にあったのは、自分への信頼と美しい地球に生きていることへの喜びだった”
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