DAY1 カトマンズ→シャブルベシ(バスで8−9時間)
DAY2 シャブルベシ(1460m)→バンブー(1910m)→ラマホテル(2480m)
DAY3 ラマホテル(2480m)→タンシャップ(3140m)→ランタン(3500m)
DAY1 カトマンズ→シャブルベシ(バスで8−9時間)
初日は1日かけてスタートポイントまで移動。
7:30にタメルのホテルを出てタクシーでマチャポカリへ。バスターミナルと言う名の、道の途中にバスが停まっているだけの場所。ただ賑わってはいた。チケットはいつもお世話になっているエージェンシーで前日予約してもらった。
バスに行き先が書いてあるわけではないので、数あるバスの中から自分が乗るバスを探さないといけないが、タクシーの運転手さんがちゃんと私が乗るバスのところで降ろしてくれた。こういうところは本当に親切なネパリ。
一応席も決まっているようで、私の席はドア側の一番前だった。シャブルベシ行きのバスはランクがあって値段もわずかに違う。エージェンシーのおすすめで一番高級な「デラックスバス」にしたけれど、ポカラのツーリストバスよりしょぼい。ノーマルバスだとどんななんだろうか・・・。
バスは予定通り8時に出発。結構混んでいるけれど、外国人は私入れて3人のみであとはネパリだった。地元の人が多く使う路線のようだ。
走り始めて2時間後くらいに何もない所でバスが停車。隣の席のおばあちゃんが「トイレ(休憩)だよ」って教えてくれた。どうやら「道端でしてね」ということのようだ。これはさずがにハードル高い。その後、5分ほど走ればちゃんとトイレがあったので謎の停車だった。
バスの中ではほとんど寝ていた。12時頃、Trisul Bazzarという村に到着。降りる人と乗る人が両方たくさんいる。お昼休憩は特になかったが、この村で30分くらい停まっていた。
その後は山道になり、カーブが続く。道も舗装されていないので揺れる揺れる。結構ハード。酔っているネパリもいてしんどそう。窓の外を見ると、崖ギリギリのかなり際どい道を通っている。すれ違えるくらいの道幅はあるけれど、本当にギリギリだ。もちろんガードレールはない。夜は乗りたくないな。窓もドアも閉まっているのに埃が入ってくる。
バスが突然停車したと思ったら、外国人のチェックポイントだった。ここで荷物検査とランタン国立公園入場料 3000rp(3000円)を支払う。バスの屋根に乗せていた大きなザックは降ろされ検査された。なかなか厳しいチェックだ。そんな感じで16:30頃、ようやくシャブルベシに到着。カトマンズを出て8時間半!!長旅だった。シャブルベシは大きな村だ。ロッジもたくさんあり、ローカル食堂も何軒かあった。
ネパールのバス移動はかなり消耗する。座っていただけだけれど疲れたので、あまり選ばずに近くにあったLasha Hotelにチェックイン。
DAY2 シャブルベシ(1460m)→バンブー(1910m)→ラマホテル(2480m)
ようやく今日からトレッキングスタート!
朝食はバナナパンケーキ。ここのバナナパンケーキはかなりおいしくて満足。Latha Hotelは結構大きなホテルだったけれど、泊り客はもう2組だけ。
今日はそれほど距離がないのでゆっくり出発。昨晩はwifiが繋がっていたけれど、朝になったら全く繋がらなくなっていた。電波はあったんだけどな。
川沿いの道を緩やかに登っていく。思っていたよりもトレッカーの姿があった。ガイドと一緒の人の割合が多い。
ドーメン(Domen)を過ぎるとゴサインクンドの方へ行く分かれ道があった。私は数日後、キャンジンゴンパへ行った後に、ここまで戻ってきて、この分かれ道の先へ進む予定なのだ。なんだか感激!
その後も川を左下に見ながら、森の中をゆっくり高度を上げながら歩く。静かだ。鳥の声が美しく響く。しっとりした森が気持ちいい。やがて日本人の10人くらいのグループが向こうからやってきた。ガイドとポーターが「こんにちは」と日本語で挨拶してくれた。
「雪はありましたか?」
「キャンジンゴンパまではないわよ!」
良かった良かった、と一安心。
バンブーでランチ。村の一番上にあるロッジでダルバートを食べた。サグ(青菜炒め)は、秋によく見かけるバレラというトゲトゲのついたウリ科の野菜を炒めたもので酸っぱ辛い不思議な味だった。アチャール(漬けもの)みたいだ。実はアチャールだったのかな。タルカリはジャガイモとまたまた登場のバレラ。お腹が空いていたのとおいしかったのでたくさんお代わりをした。
お昼前までは思ったより荷物が重く感じないと喜んでいたけれど、ランチ後、急に重く感じるようになり、思ったより時間がかかってしまった。いったん荷物を降ろしたり座って休憩すると、次に歩き出した時にグッと荷物と体の重みを感じる。本日の宿泊地、ラマホテルまでは1時間程で着くかと思いきや、2時間以上かかった。長かった~。汗もたくさんかいた。
ラマホテルというのは村の名前で、面白い村の名前だが、ロッジが5軒程度ある。森の中にある村だ。1軒目で強力な客引きにあい、悪くないのでここに泊まることにした。部屋代は無料でホットシャワーは200rp(ガスシャワー)だった。
汗をたくさんかいたので、早速シャワーを浴びる。気持ちいい〜。しかし、シャワーは35℃までしか上がらなくてぬるい。「Summer – Winter」と書いてあるダイヤルを「Winter」の方にひねってみたら今度は50℃を超えてしまった。ちょうど良い温度にするのが難しい。なるほど、だから「Summer」になっているんだね。11月下旬なので、どちらかというとWinterに近いと思うけど、これではしょうがないわ。
ダイニングでお茶を飲みながら寛いごうとしたら、強力な客引きをしていたオーナーのおじちゃんが早速暖炉に火を入れてくれた。私が到着した時はまだ2人しかお客さんがいなかったけれど、だんだん人が増えて来て15人ほどになった。おじちゃんやるな!
ダイニングには祭壇があり、ロッジのお母さんがブツブツ唱えながらお祈りをし始めた。五体投地もしている。五体投地でお祈りしている人を見ると、見て良いものか、どぎまぎしてしまう。何度見てもある種のショックを受ける。その姿は、「自己」というものを投げ出して完全に全てを神に明け渡しているように映るのだ。見たい気持ちとなぜか見たら悪いかなという気持ちが入り混じる。ランタンは地図で見るとほぼチベットだ。どのトレッキングルートよりもチベットに近い。その分、チベット文化も濃い気がする。
夕食まで暖炉の周りで椅子に座って本を読んでいたら、熱々になり、髪の毛も乾き、手ぬぐいも2枚とも乾いた。他の外国人トレッカーは暑過ぎると言って座らなかったくらいだ。
夕食は「18時」と2回も言ったのに(聞かれたのよ)、出来上がったのは17:35!!早すぎる!!混んでいるから早く食べさせたかったのかな。時間通りじゃないのはよくあることだけど、何回も時間を確認される時ほど、時間通りにはいかない。
DAY3 ラマホテル(2480m)→タンシャップ(3140m)→ランタン(3500m)
朝食を食べにキッチンへ行くとネパール人の若者トレッカー3人が朝食を食べていた。ピタパンみたいなのとタルカリを食べていておいしそう。これはメニューにはないので、ネパリ向けごはんということになる。いいな。
「チベタンブレッド」はピタパンみたいなのが出て来てびっくり!今まで食べた「チベタンブレッド」は揚げパンだったからだ。あれ、揚げてない・・・。何はともあれ、おいしかった。
朝は陽が入らないので日陰だがそれほど寒くもなく、長袖Tシャツとレインジャケットとネックウォーマーで歩き出す。
キャンジンゴンパまではずっと川沿いを歩くことになる。歩き出しは順調。森の中を進んでいく。木々の間から、雪山がチラチラを見え出し、興奮。雪山は突然現れ、いつも私を興奮させる。苔を纏った木はお化けのようだが、こういう光景はよく見る。川の水色と、木々の緑、そして時々紅葉した赤い葉っぱの3色のコントラストが見事だ。
宿にいたポーター3人の若者達に追い抜かされたり追いついたりで頻繁に顔を合わせた。ポーターは歩く時はとても早く、休憩を長めにとっていた。そのため、ポーターが休憩していると私が追いつき、しばらくしてポーター達が歩き始めて抜かされ、ということを繰り返していた。
ランタンは土砂崩れが多発しており、注意を促す看板があるほど。
日が昇ってきて、森の中にも日が射すようになると、視界が明るくなった。光の射した森はなんてきれいなんだろう。
いつの間にか背の高い木はなくなり、見晴らしが良くなった。赤い実をつけた低めの木がたくさん生えている。
10:45にゴーラタベラ(Ghola Tabela)に着いて、ここで休憩することにした。広々と開けた土地で太陽がさして気持ち良い。お腹が空いてエナジーバーを食べた。チェックポイントもあったのでここで休憩している人も多かった。熊がいるとネパール人が山の上をみんなで見上げていたが、私にはどれだかわからなかった。ネパール人は目がいい人が多くてしばしば驚かされる。
次の村タンシャップでランチ。村の手前の15分くらいは登りが続きなかなかきつかった。まだかなまだかなと思いながら歩いていた。
タンシャップには何軒か宿がありどこも日当たりが良く、休憩するのにぴったりの場所だった。例のポーター達が休憩していた宿でランチを食べることにした。相変わらず客引きがすごい。お腹がぺこぺこなのでダルバート。ご飯もたくさんお代わりし、ちょっと苦しい状態で出発。
次の村まで行ってからランチにしようか迷っていたけれど、次の村はなくなっていたので食べておいて良かった。
Gumbaという村に到着すると、また「ここに泊まっていって!」という客引きがたくさん。まあこの村も悪くないけれど、私はもっと先に行くのよ!もうランタンが見えている。青い屋根の塊がある村がそうだ。
ランタンの村は2015年のネパール大地震の際に壊滅的な被害を受けた。ランタンの今の村の手前に「地震の土砂崩れで飲み込まれた、以前のロッジ群があった」というエリアが現れた。予想以上の領域が土砂で埋まっている。まだ、たくさんの家や人々が埋まったままだという。その上を歩くことになっているのでとてもドキドキした。祈りを捧げながら静かに歩いた。
道跡が付いていたけれど途中でわからなくなって少し彷徨う。後ろから来たグループが歩いている場所を見て、「あぁ、そこに道があったのね」とようやくわかり、彼らの後を追うことにした。15:00にようやくランタン(Langtang)村に到着。
村の入り口に地震の犠牲者のチョルテンがあり、名前が国ごとに刻まれていた。ここに暮らしていた人の他に各国のトレッカーもたくさん犠牲になった。
こちらの村はもともとチベタンが住んでいて無事だったという村だ。人がどんどん移動してきているということで、新しいロッジや建設中のロッジがたくさんあり、ここでも客引きに圧倒された。
Lama Hotelでガイドさんから教わった宿はプレハブみたいだったのでやめ、少し進んだところにあったマリーゴールドホテルにした。4部屋程度の小さな宿で屋上にテーブルが出ていたのが決め手。部屋には太陽が降り注ぎとても暖かかった。
洗濯しても乾きそうなので、長袖Tシャツ、サポートタイツ、短パン、靴下を洗濯。ベーカリーを求めて散策に出かけたけれど、ベーカリーは閉まっていた。残念だ。散策はあっという間に終わり宿に戻る。お茶を飲みながらダイニングで日向ぼっこ。あったかいなぁ。これは感動的な暖かさだ。
宿のおばちゃんが
「キッチンに火(竃)があるから寒かったらこっちへおいで」
と呼んでくれた。火がなくても十分暖かいが、そんな風に言ってくれてとても嬉しいな。
夜ご飯はピザを注文。「チャパティの上にキャベツ、人参、青菜の千切りを炒めたものを乗せて焼いてケチャップをかけたもの」だったが、思っていたよりおいしい!
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